お前が好きだなんて俺はバカだな

「あ、あれ美礼くんかな。」

「え...?」

遠くにその人らしき姿がみえる。

というか、この雰囲気だとめちゃくちゃ接触図りそうなんだけど。

「あの、私気まずいんですけど。」

「え、無視するの?
普通話しかけるでしょー。」

「普通の基準がおかしいんです。」

「君がナイーブすぎるんだと思うよ。
美礼くんが遠い過去に一度振った女のことなんていちいち気にすると思う?」

ド直球で胸に刺さりすぎてもう逆に清々しいなぁー。

「でも、あれ...
ここで何してるんだろうな。」

「はい?」

「普通、いつもあっちの道帰ってるはずなんだけど。わざわざなんでこんな時間にこんな遠回りしてんだろう。」

「なるべく人通り多い方が安全だからじゃないですか?」

「それに今日車じゃないんだね。」

「あーはい...。」

それとなく車で通勤してることは知ってるけど。

「...嫌な予感がする。」

「え?」

「やっぱり話しかけてみよう。
君嫌ならそこで待っててもいいよ。」

「ちょ...ちょっと!」

そんなこと言われても...。

夜の街なんてなんか怖いし...。

「待ってください!」

付いていくしかないよな...。