11月も半ばごろ...。

「えー...。
先輩修学旅行行っちゃうんですか...?」

「そうだ。さぞ俺が恋しくなることだろうな。」

「先輩は恋しくならないんですか...。」

「どうだろうな。」

先輩は意地悪に笑った。

あと1週間もしないで、先輩は沖縄に修学旅行に行ってしまう。

「せめてお土産買ってきてください。」

「俺、土産選びは失敗すること多いんだよな。」

「内容はともかくとして、先輩の心がこもったお土産かどうかが重要なんですよ。」

「ふーん。」

先輩、分かってるのかな。

まあ、でも私も沖縄のことあんまり知らないし、これといって欲しいものもないよなぁ...。

「もし先輩と一緒に行けたらすごく楽しいんだろうなぁ...。」

「そうだな。」

「先輩が旅行中に新たな出会いとかしちゃったらどうしましょう?」

「無いと思うけど。」

「分からないじゃないですか。
向こうにはとんでもない美少女がいるかもしれませんし。」

「どんな心配だよ。」

「だって、先輩の周りには美人が多いですから...。もちろん私を除いてですけど。」

「何がもちろんだよ。
お前何も分かってないんだな。」

「何も分かってないのは先輩かもしれませんよ。ちょっと広い場所にでれば、私のことちょっと好きになったようなことなんて一瞬でパーですよ。」

「そういうお前はどうなんだよ。」

「何がですか?」

「俺がいない間に、他の奴のところに行かないって言い切れるのかよ。」

「行きませんよ。絶対。」

「本当だな。」

「本当です。」

なんかにらめっこしてるみたい...。

「ところで先輩、どういった人とグループなんですか?」

「少なくとも東條はいる。」

「それは大変ですね。」

「あいつ最近また無駄にテンション高いんだよな。事故とかなきゃいいけど。」

「そうですよね。」

先輩と少し離れるってだけでもなんか寂しいな...。