お前が好きだなんて俺はバカだな

「ただいま。」

私が帰ると、すっかり元気になったイツキが

「おかえりー。」

と駆け寄ってきた。

「お父さん、また今日もいつもより遅くなるかもだって。」

「...そっか。」

「優奈さんと一緒にいるからかな。」

「お仕事だからだよ。
着替えてくるから、そしたらまたご飯の手伝いしてね。」

「うん。」

自分ために働いてくれる父親を、今更悪く思うなんて、そんなことしたくない。

でも...。

この前もいきなり家に連れてきていたし、今日もたぶんその人と...。

確かに弟たちはもう仲が良いのかもしれない。

でも、私には...。

ちゃんと話もしていないのに...。

お母さんがいるのに...。


でも、
実際は、そんなものなのかもしれない。

私がもし、先輩のそばに居られなくなったら、こうやって、他の人と恋愛をするのかもしれない。

前は、お父さんにああ言ったけど、
本当にそれで、天国のお母さんは嬉しいのかな。

お母さんだって、病気になりたくてなったわけじゃないのに。

いなくなってしまったわけじゃないのに。

私がお母さんだったら、こんなの。

耐えられないかもしれない。