お前が好きだなんて俺はバカだな

「言わなきゃ分かんないんだな。
かわいいってこと。」

「え...?」

なんだか、魔法にかかったみたいに動けないでいた私に、

先輩は突如向きを変え、

「さ、用も済んだし俺は帰るぞ。」

と、手を打って告げ、一瞬でそんな夢心地は冷めてしまった。

この変なメリハリ。

凄く不思議。

もはやこの不可解な感じは芸術と言ってもいい。

あ、先輩が自習室を出る前に、言っておかなきゃ。

「あの、勉強教えてくれてありがとうございました。」

私がそう言うと、美礼先輩は軽く手を振った。

もし先輩に口説かれでもしたらやばいんだろうな...。

当時そんな感じで、先輩がしたことは冗談か何かだろうと思ってた。

でも、まさか、

あんなことになっちゃうとは。