お前が好きだなんて俺はバカだな

「イツキ。
いつまで寝てるの?
もう起きないと遅刻するよ。」

朝。

いつも通り朝食を作って待っているのだが、イツキが時間になっても起きてこない。

リビングのほうから呼びかけたけど、反応がなかった。

「もう...最近部活で疲れてるのかな。
私、起こしにいってくるね。」

「うん。」

ヒガシにそうことわって、私はイツキの部屋に行った。

「もう少しだけ...。」

「だめ。起きなさい。」

「お願い...。」

布団を剥がそうとするけど、イツキは布団を掴み、顔を隠して抵抗する。

「どうして言うこときかないの。
ほら起きてってば。」

「うぅ...。」

「イツキ、もういいかげんにしなさい!」

「...。」

私だって忙しいのに...。

頭にくる。

大きな声をだして叱った私を気にして、ヒガシが様子を見に来た。

「ごめんヒガシ。
遅れるといけないから先に学校行ってて。」

「...待って姉ちゃん。」

ヒガシはイツキの側に寄る。

「どうした、イツキ。」

「...。」

「兄ちゃんに顔見せて、な。」

「...ほっといてよ。」

「イツキ...大丈夫だから、起きて顔見せてごらん。」

「やだ。
あっちいけよ。」

ヒガシがそう語りかけるが、イツキは断固として布団から出ようとしない。

「姉ちゃんを困らせちゃ駄目だぞ。」

「...。」

「お前、具合悪いんだろ。」

え...?

「違う...。」

「熱、あるか測らせて。」

「違うって言ってるだろ。
兄ちゃんのばか。」

「ここで意地張ってたら、逆に姉ちゃん困らすぞ。
今日は僕が一緒にいてやるから、ちゃんと起きて熱をはかりなさい。」

「...。」

やっとイツキが起き上がった。

確かに、顔が赤い...。

ヒガシは、おでこに手を当てた。

「...今日は休もうか。」

「...少し寝れば行ける。」

「だめだ。兄ちゃんと一緒にいよう。」

「え、そんな...ヒガシは学校行きなよ。
看病、私がするから。」

「大丈夫。僕ひとりで十分だ。」

「そんなの絶対だめ。
私が...。」

「イツキも、色々気にする年頃なんだよ。
こういうときは男同士でいたほうがいい。」

「え...。」

「姉ちゃんは心配しないでそのまま学校行って。
連絡も僕がしておくから。」

「でも...。」

このまま放っておくなんて...。

「姉ちゃん。
僕、ヒガシにいてもらったほうがいい。
...学校行ってきて?」

...。

「...何かあったらすぐに連絡するのよ。」

「うん。
それと、帰りに仮面サイダーアイス買ってきて。」

「...分かった。」