お前が好きだなんて俺はバカだな

リビングで。

「イツキたちはもう寝た?」

「うん。」

「...いつもそうやって後片付けとか、やってくれてるんだもんな...。」

「大したことじゃないよ。
お父さんだって、朝、ゴミ捨てとか行ってくれてるでしょ?」

「まあ...通勤のついでだけどね。」

確かに...こうやって面と向かって会話するの、久しぶりな気がするな。

「結野...。」

「なに?」

「...実は、父さん、話があるんだけどいいかな。」

「うん。
なに?」

なんだろう。

急にあらたまって...。

「今まで、結野たちには苦労をかけてきて、すまないと思ってる。」

「ううん。
そんなことないよ。」

「俺は母さんみたいに、家事ができないし...仕事にかまけてばかりで、お前たちと遊んだり、どこかに連れていったりすることもできなかった...。すまん。」

「そんな...。
大丈夫だよ。イツキもヒガシも私も、お父さんが1番大変なんだってよく分かってるんだから。仕事だって、私たちを思ってのことだし。」

「うん...。」

お父さんが、こんなに謝ってくるなんて、なかったのに...。

一体どうしちゃったんだろう...。

「それだけじゃ、ないんだ...。」

「え...?」

「お前たちに、隠してきたことがあって...。」

隠してきたこと...?

胸がドキンとする。

「最近...出張とかも重なって、何日か家に帰って来なかっただろう。」

「うん。」

「本当は、もっと早くに家に帰れるはずだったんだけど...。」

え...。

どういうこと...?

「仕事で遅くなったんじゃ、なかったの?」

「ああ...、すまない。」

「じゃあ...どうして?」

「実は...。」

張り詰めた空気に息が詰まりそうだった。

怖い...。