お前が好きだなんて俺はバカだな

それから、ひと通りお祭りを楽しんで、家に帰ってきた。

そのまま部屋のベッドに身を投げ込む。

そうすると、今日あったいろんなことが、頭の中をめぐる...。

整理は明日にしたほうがいいのに...。

えりなちゃんからきいた噂...、会長が話したこと...、先輩が、甘えてきたこと...。

その、必死な顔...。

私のこと、やっぱり好きなんだって、

安心した筈なのに...。

先輩も、そういうの感じたのかな。

だから、抱きしめてくれるだけだったのかもしれない。

本当は、ちゃんとモヤモヤもなく先輩を受け入れられていたら、今日、私は先輩と...。

「キス...できたのかな。」

もしかしたら、先輩をがっかりさせてしまったのかもしれない。

そして、そのまま...私のこと...。

「もう...やめ、なきゃ...。」

このことについて考えるの、やめなくちゃ。

人を疑ったり、妬んだり...、

拒みたくもないのに、拒んだり。

そんなの、やめなくちゃいけないのに。

最初から分かってたはずだ。

先輩が告白してくれて、今、私の恋人になってること自体、すごい奇跡なんだって。

夢みたいなことなんだって。

これ以上、全部完璧に、私の思いどおりになんて、
望むこと自体、罰当たりなんじゃないかって。

やっぱり...やっぱり。

私じゃ...先輩には...。

「会長と先輩のほうが、お似合いじゃない。」

部屋にひとりきりなのに、ひとりでに言葉が滑り落ちていく。

「私さえいなければ、先輩にまた告白して、いつかは受け入れてもらえて、恋人になって、誰も文句言わなくて...全部順調で...。」

涙で声がむせ返る。

「先輩のことまだ好きなんだ...私が邪魔なんだ...私よりかわいいし、なんでもできるし、私とは違うから、奪おうと思えば先輩のこといつでも奪えるんだ...。」

涙が溢れて、溢れて...。

いくら歯を食いしばっても、止まらない。

「いや...先輩...。
そんなの嫌...。
私の先輩なのに...。とらないで...。」

頭に浮かぶのは、彼女の端麗な姿。

穢れなんて一切ない、その、美しい彼女が...。

先輩と並んで歩く姿だった。

「悔しい...。
くやしいよ...。」

私は、そうして泣き続けた。

ああ...。

こういうのを、泣き寝入りっていうんだ...。