お前が好きだなんて俺はバカだな

「あの、急に辞めてしまって、すみませんでした。」

「ううん。こちらこそ、色々ごめん。」

「いえ...。」

えっと...どう話したらいいのかな...。

こうして話していると、やっぱり私の勘違いなんじゃないかなって思ってくる...。

だって、こんな...。

会長は、綺麗な人だから。

私とは違って。

だからこそ...。

「私、勝手に焦ってしまったんです。
このまま先輩が私からどんどん離れていっちゃうんじゃないかって...。
...すみません。」

「そうだったんだ。
こっちも気づかなくて、ごめんね。」

「いいえ...。
全部私のわがままで...。」

それまで気まずいと俯いたようになっている自分が恥ずかしくなってしまった。

だって、私の方をまっすぐみる彼女は、明らかに私よりも...。

「...っ!」

だめだ。

このままじゃ...。

わたし...。

「あの、会長は先輩のこと...どう思っていらっしゃるんでしょうか。」

「美礼のこと...?」

「はい...。」

胸が張り裂けそう...。

明らかに、会長が少し目を見張って、そのまま私の言いたいことを理解した。

「ああ...そっか。
私と美礼は仲良くみえるから...。」

「...す、みません...。」

「謝る必要ないよ。そうなる気持ちも分かるし。」

「えっと...。」

「まあ、あいつは基本お人好しっていうか、社交的なんだよ。だから、あんまり気にしなくてもいいんじゃないかな。」

「あ、はい...。」

...なかなかこちらは咀嚼できない。

私が言いたいことは...。

知りたかったことは...。

「えっと...。
先輩は...そうなのかもしれないですけど。」

また、目を逸らしてしまう。

でも、それでも、自分なりにでも進まなきゃ。

「会長は、先輩のこと、どういう風に思ってるか知りたくて...。」

「それは、私がまだ美礼が好きなんじゃないかってことだよね。」

「え...?」

「...ああ、ごめん。美礼からきいてなかったんだ。
私、美礼に告白したことあるんだよ。」

え...。

そんなこと、知らなかった。

「あのときは、私が高1で、美礼が中3のときだったかな。
ちょうどこの夏祭りでばったり会って、そこで告白したんだ。」

「...。」

「でも、ごめんなさい無理ですって、見事に振られちゃった。冗談言ってるみたいな感じでさ。
たぶん誠たちもいなかったから知らないと思うよ。」

「...そう、なんですか...。」

「あんなにはっきり言われちゃったら、参っちゃうよ。それ以降何にもできなかったな。」

「...じゃあ、今も先輩のこと...。」

あ、電話が...。

先輩からだ...。

「すみません、ちょっと電話に...。」

そうことわって、電話に出た。

「もしもし、先輩大丈夫ですか?」

「大丈夫に決まってんだろ。
何度もメールしてるのに、なんで未読なんだよ。」

「す、すみません...。」

「今どこにいるんだよ。」

「えっと、今は屋台の広場の脇のところです。」

「あ、ほんとだ。いた。
一旦切る。」