お前が好きだなんて俺はバカだな

「美礼先輩。」

「何?」

「あの、私、先輩に不満があるんです。」

「...。」

先輩は、驚いた顔で次の言葉を待っているようだった。

「これ以上、私に関わるの、やめてもらえませんか。」

「...。」

先輩は何か言おうとしたが、詰まらせてしまったようだ。

「え、なんで。」

やっと、それだけ言った。

「私、思ったんです。
これまで私がこんなにバカにされちゃってるのって、私自身が先輩とそういう関わり合いでもいいみたいな雰囲気が出ちゃってるからだと。」

「...。」

「だから、はっきり言います。私を他の人と同じように扱って欲しいんです。
それが無理なら、私に関わるの止めてください。」

「...。」

私がそう言うと、先輩はくるっと壁の方を向いてしまった。

「先輩??」

「...。」

「え、先輩、もしかして、泣いてます?」

「...。」

「す、すみません。
ちょっと言いすぎたかなって思います。」

「...。」

先輩はこっちを向いたけど、ちょっと目の周りが赤いし、目を擦っている。

「いや、やばいかも。今年1の衝撃...。」

「す、すみません。」

「俺、嬉しいよ。
結野の成長が見れて。」

ん??

「え、拒絶されて悲しいとかじゃないんですか?」

「いや、ちゃんと自分の意見言えるようになって、偉いと思うよ俺は。
もう感動。」

「じゃ、じゃあ、私の意見、きいてくれるってことですよね。」

「それは聞き入れられないなー。
俺にも自由があるから。」

...。

やっぱダメなのか。

「そもそも、俺が泣いた時点ですみませんとか言ったら、撤回の意味になるだろ。
意思が弱いぞ。」

「だって、急に泣き出すと思わないじゃないですか。」

私が負けじとそう言い返すと、先輩はニコッと笑った。

「良かった。
本気じゃないんだって分かったから。」

「...っ!
はぁ!?」

「本気でそう言われちゃったら流石に寂しいよ。結野は素直なとこあるから、本当にそう思われてたらと思うと、不安だった。」

「ふぁ!?」

なんか変な発声をしてしまった。

なんでこんなときだけ、キラキラスマイルなんだ!

やっぱり、踊らされるだけで無駄だったのかも。

でも、

本当に、本気じゃなかったってことなのかなぁ...。

やっぱり、ちょっとは先輩のこと...。

「いやいや。」

「??
どうした?」

「え、いや、なんでもないですっ!
出直してきます!」

「ん。
じゃあ、また明日。」