「花乃、今日はもう彼に送ってもらいなよ」春海が “彼” の部分を強調して口にする。
「怪我させちゃって、すみません。花乃をよろしくお願いします」と詩織も続ける。
「そうさせてもらいます。お先にすみません」
と直斗さんがふたりに告げる。
「花乃、またね!」
「お大事に」
手を振ってくれる春海と詩織と、そして立ち尽くすひとりの男性を直斗さんの肩越しに見た。
さようなら、もう二度と関わることはない。かつて好きだったひと。
「怪我させちゃって、すみません。花乃をよろしくお願いします」と詩織も続ける。
「そうさせてもらいます。お先にすみません」
と直斗さんがふたりに告げる。
「花乃、またね!」
「お大事に」
手を振ってくれる春海と詩織と、そして立ち尽くすひとりの男性を直斗さんの肩越しに見た。
さようなら、もう二度と関わることはない。かつて好きだったひと。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)