大地のベッドで横になっていると部屋に入ってきた朝陽ちゃんの気配に寝たふりをきめこんだ。

そっと近づく気配を感じながら、黙って息をころしていると甘い香りが鼻孔をくすぐり柔らかなものが唇におしあてられた。
 
不意討ちのキスは同時に俺の心まであっさりと奪っていき、自分の気持ちを誤魔化すように彼女に手をだし何度も抱いたが、身体を重ねる度にむなしくて、だんだんと会う回数も減っていき、そんな俺の心の内がわかったのかほどなくして別れを告げれた。

結局優しく特別扱いしていた彼女に俺の気持ちが向くことは最後までなく、そのあとは遊びでも誰とも付き合うことはなかった。