「あー、悪い俺もパス。
なぁ大地、俺もお前ん家行っていい?
会ってみたいな…大地の妹に」

「は?」

大地は眉間にシワを寄せて嫌な顔を一瞬して今度は難しい顔をして悩みだした。

「うーん……まぁお前ならいっか。知らない奴にかっさわられるよりましか」

わけのわからないことをもごもご口にしながら大地はニカッと笑い

「帰ろうぜしんた」

と俺の背中を叩いた。

大地の妹は俺たちより5コ下の小学5年生。

名前は朝陽。

とにかく可愛いんだと顔を綻ばせて話す大地に、男兄弟しかいない俺は、もっと幼い子供子供した女の子を想像していた。

だけど、帰宅した朝陽ちゃんを玄関で出迎えた俺は息をのんで一瞬固まった。

"美少女"

この言葉がピタリとあてはまる女の子だった。
それが朝陽ちゃんの第一印象でその外見は大人びていて、中学生か俺と同い年くらいにしか見えなくて、背負っているランドセルが不釣り合いだったか、話すと中身は可愛い年相応の小学生。

人懐っこい笑顔が可愛くて、こんな妹が俺も欲しくて、頻繁に大地の家に出入りするようになった。