「あれから…来てくれなくなったけどさ、俺の店って知らなくて前は来てくれてたんだよな?
店と料理が気に入って通ってくれたんだろ?

あの店は朝陽をイメージして内装決めたし、いつも朝陽が食べてくれることイメージしながら作ってる。

一途だろ?俺。

朝陽むちゃくちゃ俺に愛されてるんだぞっ!」

頬を膨らませて口を尖らせた柚月は可愛らしくて、その表情は高校生のしんちゃんに重なって

「しんちゃん…」

甘えるようにぎゅっと抱きつくと耳元に寄せられた唇は

「しんちゃんはもう勘弁して。
小学生の朝陽を思い出していけないことできなくなる…」

耳元で囁きがぶりと耳にかみつかれ、顔を真っ赤にして柚月の顔を見上げ

「しんちゃんっっ!」

わざとらしくそう呼ぶと、柚月は困ったように笑いながらもう一度薬指にキスを落として

「朝陽、愛してる。
もう、三年も口説いてるんだ。

そろそろ俺の奥さんになってください。朝陽ちゃん、一緒に大地の分も幸せになろう」

ゆっくりソファーに押し倒されて消え入るような

「…はい」

という小さな声をちゃんと拾い上げてくれた柚月は、満面の笑みを浮かべそのまま私に覆い被さった。