「朝陽、顔、ぐっちゃぐちゃ。子供かよ!」

「うぅっっ…」

「でも、可愛い」

前髪に触れていた手が、目元の涙を拭って頬をさらりと撫で、不意に近づいた柚月が目元に舌を這わせてさらに涙を拭っていく。

くすぐったくて身体を固くすると、両手で頬を包まれて唇が重ねられた。

「…会いに行ったよ。
朝陽は、笑ってた。YAMASE のツナギ着てさ、楽しそうに働いてた」

唇をすぐに離して私の質問に答えた柚月は、また寂しそうな顔をして微笑んだ。

「タイガーモータースには、定期的に顔だしてずっと朝陽を見てた。

俺は、朝陽が笑っててくれるならそれでいいって思ってた。
元気に笑ってくれてるなら、余計なこと思い出さないように側で見守るつもりだった」

もう一度軽く触れるキスをして柚月の熱のこもった瞳がじっと私を見つめる。