その背中に慌てて話しかける。

「ねぇ!!
私に興味ないなら私と卒業まで付き合ってよ!」

立ち止まり振り向いた彼は、今自分が言ったことを聞いていなかったのかと言いたげに

「はぁ!?」

と大声で叫び私にさらに冷たい言葉を浴びせようと思ったのか、私の方へ戻ってきた。

「ごめん!言い方を間違えたっ!」

「えっ?」

少しだけ彼の表情が緩んだ。

「今の告白したわけじゃないから勘違いしないでっ!

私、香田くんのことは絶対に好きにならないし、香田くんも私を好きにならない。

学校にいるときだけでいいから、隣にいてよ!

付き合ってってそういう意味!

恋人じゃなくて、ふりをするわけでもない、ただ隣にいるだけ。

どう?

効果的だと思わない!

私も卒業までは真剣に勉強したいの!
女だからって特別視されたくないし、目指してることだけに集中したいの!

友達として隣にいて利用させてよ!」

お願いするっていうよりも、傲慢で一方的な自分本意の発言だった。

そんな私に、彼はさらに表情を崩して思いっきり破顔して笑いだした。