「俺が口を挟むことじゃないですけど、朝陽さんを幸せにしてください。
宜しくお願いします」

頭を下げた蓮司に

「言われなくても もちろん幸せにしますよ。
あなたなんかよりずっと俺は朝陽とは付き合いが長いんだから」

「えっ?」

少しムッとしたような口調の柚月の言葉に、引っ掛かりを感じた私は柚月に聞き返したが

「ぶはっ、良かった」

と吹き出した蓮司にすぐに視線を戻した。

「朝陽、めちゃめちゃ愛されてるな。さっきから俺、すげー睨まれて敵対視されてる。
今日…会えて良かった。

朝陽がちゃんと幸せそうに笑ってて
安心した。

新田さん、誤解しないでください。朝陽って呼び捨てにしてるの俺だけじゃないですから。

専門学校の時佐藤って苗字が何人もいて、それでみんな下の名前で呼んでるんですけど、男に呼ばれるのは面白くないですね」

「……」

蓮司にそんなことを言われて、柚月は不機嫌な顔をしてからすぐにまた表情を崩してふっと笑った。

「好きじゃなきゃ結婚しようなんて思わないよ。
好きだからいつも隣にいるんだ。
心配なんてする必要はない」

「っっ!!」

突然二人の前で、腰に手を回されて引き寄せられ恥ずかしくて一瞬で私は真っ赤になった。