ヴェルト・マギーア ソフィアと虹の花

そんな言葉を真に受けるなんて、やはり歳はくってても中身は子供か。

「あ、それと僕の妹のことはありがとうね」

「っ!」
 
するとライトニングは嬉しそうにウリエルの周りを飛び始めた。

「オイラに妹が出来たって話を、さっきミカから聞いてさ。それを君が手伝ってくれたんだよね」

「……」
 
まさかミカエルのやつ、ラスールの件も見ていたって言うのかよ? 本当にいけ好かない奴だ。

「名前はもう決めた? 何にしたの?」

「いや……名前はまだ決まっていない。エーデルがオフィーリアに付けてほしいと言っていた」

「ふ〜ん。エアにお願いするんだね。じゃあオイラと同じだ」
 
俺はさっきから顳かみをピクついていた。

そして我慢の限界が来た俺は口を開く。

「エーデルの子供だから……あまり怒鳴るのはどうかと思っていたけどさ、お前何か勘違いしていないか?」
 
その言葉にライトニングは動きを止めた。そしてウリエルの肩の上にちょこんと座り直した。

「エア、エア、エア! 言っとくけどな! オフィーリアはエアじゃないんだよ! エアはエアで、オフィーリアはオフィーリアなんだよ! エアの友達だったお前でもそれくらい分かるだろ!」

「でも、彼女はエアだってミカが言ってるよ?」

「っ!」
 
ライトニングの言葉を聞いて俺はミカエルに目を戻した。

そんな俺を見たミカエルはクスクス笑うとウリエルの隣に立った。

「ウル。下がりなさい」

「し、しかし兄上……」

「良いから、言う通りにしなさい」

「……はい」
 
ウリエルはミカエルの言葉に渋々頷くと、ライトニングを連れて後ろへと下がった。

「魔剣ライトニングは私の妹を選んだのだよ。だから妹もまた、君の言う守護者の一人と言う事になる」