「ずっと一人で戦って来た彼は、決して人を信じようとはしなかったのです。彼が信じているのは、妹と村の人たちだけで、あとはみな敵とみなし容赦なくその手で命を奪って行きました。しかしそんな彼でも、やはり孤独で戦い続けるのは無理だったのですよ。村の人たちや家族を守るために、他者の命を奪うといっても、その命を奪われた者たちにも家族がいたのですから。彼はそれを知っていながらも、【守るため】に戦い続けたのです。しかしやはり限界が来てしまった彼は、罪悪感や孤独で押しつぶされそうになっていた時に、とある彼女に出会いました」
エクレールさんはそう言って、何かを懐かしむように青空を見上げた。
「彼と彼女が出会ったのは、ちょうど彼が自分たちの力を狙って来ていた者たちを追い返した後だったのです。彼女は山奥に住む彼等に用事があって、はるばる遠い国から一人でその地へと足を踏み入れていたのです。そんな中、彼女は夜の森で傷ついた体を癒やしていた彼を見つけたのです。彼女は直ぐに彼の手当をしようとしたのですが、人を信じようとしない彼は拒んだのです。しかし彼女はとても頑固だったので、強制的にでも彼の体を手当したのです」
そ、そうなんだ……。
なんだかその強引な彼女と言うのが、エクレールさんに似ている気がするんだけど、これは言わない方が良さそうだ。
「数日彼の事を看病していた彼女は、彼に山奥に住む人たちについて訪ねたのです。しかし彼はやはり彼女もまた、自分たちの力を狙って来た者の一人だと勘違いして、彼女を殺そうとしたのです。しかし彼は彼女を殺す事は出来ませんでした。それは彼が、彼女にも家族が居ると分かっていたからなのです。そして彼は彼女と過ごしていく内に、心の傷を少しずつ癒やしていったのです。そう彼は決して人を信じる人ではなく、全て一人で背負い込み孤独に戦い続けた人なのですが、彼は彼女と出会うことによって、後に仲間と呼べる存在が出来るのです。ずっと仲間なんて要らないと思っていた彼は、仲間が居る事で乗り越えられることもあると言う事を学びました。全て一人で背負う必要なんてない、辛い時は仲間に頼っても良いことを学んだ彼は、彼女が最初に出会った頃の彼よりもずっと強く、偉大な存在になったのでした」
エクレールさんはそう言って俺へと視線を戻した。
エクレールさんはそう言って、何かを懐かしむように青空を見上げた。
「彼と彼女が出会ったのは、ちょうど彼が自分たちの力を狙って来ていた者たちを追い返した後だったのです。彼女は山奥に住む彼等に用事があって、はるばる遠い国から一人でその地へと足を踏み入れていたのです。そんな中、彼女は夜の森で傷ついた体を癒やしていた彼を見つけたのです。彼女は直ぐに彼の手当をしようとしたのですが、人を信じようとしない彼は拒んだのです。しかし彼女はとても頑固だったので、強制的にでも彼の体を手当したのです」
そ、そうなんだ……。
なんだかその強引な彼女と言うのが、エクレールさんに似ている気がするんだけど、これは言わない方が良さそうだ。
「数日彼の事を看病していた彼女は、彼に山奥に住む人たちについて訪ねたのです。しかし彼はやはり彼女もまた、自分たちの力を狙って来た者の一人だと勘違いして、彼女を殺そうとしたのです。しかし彼は彼女を殺す事は出来ませんでした。それは彼が、彼女にも家族が居ると分かっていたからなのです。そして彼は彼女と過ごしていく内に、心の傷を少しずつ癒やしていったのです。そう彼は決して人を信じる人ではなく、全て一人で背負い込み孤独に戦い続けた人なのですが、彼は彼女と出会うことによって、後に仲間と呼べる存在が出来るのです。ずっと仲間なんて要らないと思っていた彼は、仲間が居る事で乗り越えられることもあると言う事を学びました。全て一人で背負う必要なんてない、辛い時は仲間に頼っても良いことを学んだ彼は、彼女が最初に出会った頃の彼よりもずっと強く、偉大な存在になったのでした」
エクレールさんはそう言って俺へと視線を戻した。



