ヴェルト・マギーア ソフィアと虹の花

「時空の割れ目?」

「アレスは黒い粒子たちを浄化できる唯一の魔剣エクレールを手にした。だからもしまた仮に、黒い粒子たちがこの世界に進行して来たとしても、アレスとエクレールなら黒い粒子を浄化する事が出来るじゃない? だからブラッドさんは誰よりもアレスには強くなってもらいたいし、魔剣の力を使いこなせて欲しいんじゃないのかしら?」

「なるほど……」
 
確かに現時点で黒い粒子を浄化出来るのは、アレスとエルさんだけだ。

テトの言う通り私たちはこの修業を終えたら、ブラッドさんが見つけたという時空の割れ目を塞ぎに行かなければんならない。

ヨルンみたいな粒子に取り憑かれた人を二度と出さないためにも。

「大丈夫よ、ソフィア。アレスならきっと乗り越えられるわよ。だって彼の側には、私たちが側にいるんだから」

「うん、そうだね」
 
アレスはいつだって私の手を引っ張って側に居てくれた。

だから私はアレスのおかげでここまで来る事が出来た。

ううん、アレス以外にもカレンやロキ、そしてテトやムニンたちが側に居てくれたから、私は前を向く事が出来たんだ。
 
だから今度は私がアレスの手を引っ張るんだ。

隣に立って彼を支えてあげたい。

アレスが私にしてくれたように、今度は私がそうする番だから。