一人で全て抱え込み、余計な物は全て切り捨てて愛する者のために強くなったあいつと、自分一人では抱えきれない物を、仲間に支えてもらう事で、一緒に乗り越えて守ろうとするあいつは、いったいどちらが本当に強いと言えるのだろうか。
それは……誰にも分からないことだ。
しかし仲間に頼りすぎるのもどうかと思うところはある。
だからブラッドは、アレスにキツイ言葉を投げかけたんだ。
それはきっとあいつが過去に、側に居てくれた者に頼りきってしまっていた事があったからだろう。
でもそれはみんな同じだ。
エアもトトもお互いを頼りにしていたし、私だって他の仲間たちを頼りにしていた事だってあったんだ。
そう……最初はみんなそうなんだよ。そして後で気がつくんだ。
「ねえ……サファイア」
「ん?」
すると私のところへカレンが顔を暗くしながら側に来た。
その様子からして、ブラッドに言われた事を深く気にしているようだった。
「どうした、カレン? ブラッドに言われた事を気にしているのか?」
「……はい」
ああ、やっぱりかと思いながら、私は苦笑した。
カレンはこの中で誰よりも、ブラッドの事を尊敬しているし、あいつの力になりたいと思っている子だ。
だから人一倍あいつに言われた事には敏感に反応するし、数日の間は悩みこんでしまう事だってある。
「そう深く気にすることはないだろ? 確かにあいつの言った通り、私たちと一緒に考えた戦術の中には、カレンや私たちにも見えなかった穴があったのかもしれない。だが、その見えていなかった穴を、あいつのおかげで知る事が出来たんだ」
「そうだけど……今日の先生、ちょっと様子がいつもと違っていたような気がしたんです」
「様子がおかしかった?」
カレンのその言葉に私は首を傾げる素振りを見せながら、左耳に付けている氷水晶の耳飾りに軽く触れた。
それは……誰にも分からないことだ。
しかし仲間に頼りすぎるのもどうかと思うところはある。
だからブラッドは、アレスにキツイ言葉を投げかけたんだ。
それはきっとあいつが過去に、側に居てくれた者に頼りきってしまっていた事があったからだろう。
でもそれはみんな同じだ。
エアもトトもお互いを頼りにしていたし、私だって他の仲間たちを頼りにしていた事だってあったんだ。
そう……最初はみんなそうなんだよ。そして後で気がつくんだ。
「ねえ……サファイア」
「ん?」
すると私のところへカレンが顔を暗くしながら側に来た。
その様子からして、ブラッドに言われた事を深く気にしているようだった。
「どうした、カレン? ブラッドに言われた事を気にしているのか?」
「……はい」
ああ、やっぱりかと思いながら、私は苦笑した。
カレンはこの中で誰よりも、ブラッドの事を尊敬しているし、あいつの力になりたいと思っている子だ。
だから人一倍あいつに言われた事には敏感に反応するし、数日の間は悩みこんでしまう事だってある。
「そう深く気にすることはないだろ? 確かにあいつの言った通り、私たちと一緒に考えた戦術の中には、カレンや私たちにも見えなかった穴があったのかもしれない。だが、その見えていなかった穴を、あいつのおかげで知る事が出来たんだ」
「そうだけど……今日の先生、ちょっと様子がいつもと違っていたような気がしたんです」
「様子がおかしかった?」
カレンのその言葉に私は首を傾げる素振りを見せながら、左耳に付けている氷水晶の耳飾りに軽く触れた。



