今一瞬、ブラッドさんは何かに気づいたのか、慌てて忘却の山のある方へと振り返った。
その姿に私たちは首を傾げた。
ブラッドさんが酷く動揺しているようにも見えて、そして何かを我慢するようにこちらへと視線を戻した。
「それじゃあ、これから修行の第二ステップに入るわけだけど、その内容の説明をする前に、お前たちにも一応紹介しておくな」
そう言ってブラッドさんは、何もなかったように隣に立っているセイレーンさんに目を向けた。
それに釣られて、私たちも彼女へと視線を横に移動させた。
「みんなも知っていると思うけど、彼女はセイレーン。魔剣マールの主であり、俺たちと同じ守護者の一人だ」
セイレーンは着ているマーメイドドレスの裾の端を軽くつまむと、私たちに深くお辞儀をして見せる。
「お初にお目に掛かります。魚人族のセイレーンと申します」
と、彼女のその言葉と同時に腰にあったマールの刀身が水色に輝くと、彼女もまたエルさんたちと同じ、元の人間の姿へと戻った。
「やっほ〜、私がマールだよ。よっろしく〜」
彼女――マールはそう言うと、エルさんたちの方へと走って行く。
「エルル〜お久〜」
「はい、マールちゃん。お久しぶりなのですよ」
な、何かマールさんって、凄く元気な女性に見える。
私たちと同い年くらいに見えるけど、それでも彼女もエアを守るために選ばれた守護者の一人だった人だ。
だからきっと凄い人なのだろう。
「あの、どうしてセイレーンさんはここへ?」
その質問にセイレーンは目を細めて笑うと、アレスの側まで歩いて行く。
「あら? わたくしに興味でもあるのでしょうか?」
「い、いや……そういうわけでは」
セイレーンさんの顔が間近まで寄せられたアレスは、その美しさに顔を真っ赤にしながら目を横へと逸らす。
その光景を隣で見ていた私はなぜか少し苛立った。
その姿に私たちは首を傾げた。
ブラッドさんが酷く動揺しているようにも見えて、そして何かを我慢するようにこちらへと視線を戻した。
「それじゃあ、これから修行の第二ステップに入るわけだけど、その内容の説明をする前に、お前たちにも一応紹介しておくな」
そう言ってブラッドさんは、何もなかったように隣に立っているセイレーンさんに目を向けた。
それに釣られて、私たちも彼女へと視線を横に移動させた。
「みんなも知っていると思うけど、彼女はセイレーン。魔剣マールの主であり、俺たちと同じ守護者の一人だ」
セイレーンは着ているマーメイドドレスの裾の端を軽くつまむと、私たちに深くお辞儀をして見せる。
「お初にお目に掛かります。魚人族のセイレーンと申します」
と、彼女のその言葉と同時に腰にあったマールの刀身が水色に輝くと、彼女もまたエルさんたちと同じ、元の人間の姿へと戻った。
「やっほ〜、私がマールだよ。よっろしく〜」
彼女――マールはそう言うと、エルさんたちの方へと走って行く。
「エルル〜お久〜」
「はい、マールちゃん。お久しぶりなのですよ」
な、何かマールさんって、凄く元気な女性に見える。
私たちと同い年くらいに見えるけど、それでも彼女もエアを守るために選ばれた守護者の一人だった人だ。
だからきっと凄い人なのだろう。
「あの、どうしてセイレーンさんはここへ?」
その質問にセイレーンは目を細めて笑うと、アレスの側まで歩いて行く。
「あら? わたくしに興味でもあるのでしょうか?」
「い、いや……そういうわけでは」
セイレーンさんの顔が間近まで寄せられたアレスは、その美しさに顔を真っ赤にしながら目を横へと逸らす。
その光景を隣で見ていた私はなぜか少し苛立った。