✭ ✭ ✭
「……っ」
閉じていた目を開けると、私は変わらず氷の中に閉じ込められていた。
そして同じく体を動かす事は出来ないし、声だって出す事が出来ない。
でも……今回は早くに目が覚めた方だと思っている。
私の体を閉じ込めている氷の水晶の周りには、色とりどりの花々が植えられている。
その中で私は、意識を手放す前に目にした一輪の花が目に入ってきた。
そのツボミは私が意識を手放す前にも、まだ花を咲かせてはいなかった。
そしてその花は今も花を咲かせておらず、青紫のツボミを付けたまま項垂れていた。
「……っ」
私はその花をじっと見つめ、心の中で声を掛けてみた。
「元気がないのですか?」
と。しかし花と話が出来るというわけではない。
ただ……何となく話をして見たくなっただけなのだ。
私はきっと何年もこの中に閉じ込められている。
それは彼が私を思ってやったこと。でも意識を取り戻す時は、いつだって彼の姿はなかった。
でも彼の姿がなくても、ずっとここに来てくれていると思っていた。
その証拠に氷の結晶の周りには、色とりどり花々は植えられているから。
その数は私が目を覚ます度に少しずつ増えていっている。
だから私はその花を見る度に、ぎゅっと胸が強く締め付けられる感情に襲われて頬に涙が伝った。
それは彼が今も私なんかのために生き続けてしまっている証拠だから。
「……っ」
閉じていた目を開けると、私は変わらず氷の中に閉じ込められていた。
そして同じく体を動かす事は出来ないし、声だって出す事が出来ない。
でも……今回は早くに目が覚めた方だと思っている。
私の体を閉じ込めている氷の水晶の周りには、色とりどりの花々が植えられている。
その中で私は、意識を手放す前に目にした一輪の花が目に入ってきた。
そのツボミは私が意識を手放す前にも、まだ花を咲かせてはいなかった。
そしてその花は今も花を咲かせておらず、青紫のツボミを付けたまま項垂れていた。
「……っ」
私はその花をじっと見つめ、心の中で声を掛けてみた。
「元気がないのですか?」
と。しかし花と話が出来るというわけではない。
ただ……何となく話をして見たくなっただけなのだ。
私はきっと何年もこの中に閉じ込められている。
それは彼が私を思ってやったこと。でも意識を取り戻す時は、いつだって彼の姿はなかった。
でも彼の姿がなくても、ずっとここに来てくれていると思っていた。
その証拠に氷の結晶の周りには、色とりどり花々は植えられているから。
その数は私が目を覚ます度に少しずつ増えていっている。
だから私はその花を見る度に、ぎゅっと胸が強く締め付けられる感情に襲われて頬に涙が伝った。
それは彼が今も私なんかのために生き続けてしまっている証拠だから。



