アレスはまず魔剣の魔力をその身にまとえる体作りから。

カレンはサファイアの力なして戦えるようになる戦法学び。そしてロキは魔力と(ロゼ)のコントロールから始まった。
 
私はと言うと、エクレールさんと一緒に魔人族本来の魔力である、【共振】を上手く使いこなせるようにするため、共振の魔力を抱えている雫から少しずつ共振の魔力を引き出すところから始めた。
 
正直……この修行には、みんな着いて行くのがやっとだった。
 
ブラッドさんは私たちの修行は見てくれると言っていた。

でもそれはまず第一ステップをそれぞれクリアしない事には始まらなかった。
 
アレスの体作りの見ているのはアルさんで、その体作りの内容は私の想像を遥かに超えるスパルタな物だった。

カレンの戦法学びは主にレーツェルさんとサファイアさんが見ている。
 
時々その考えた戦法を活かすために、ブラッドさんやサファイアさんたちが手合わせてしてくれていた。
 
そしてロキの魔力と雫のコントロールは、ブラッドさんが直々に教えてくれている。

もちろんカレンとアレスは【羨ましい!】と言わんばかりに、納得のいかない顔をしていた。
 
特にカレンなんて、今にもロキを殺しそうな勢いで止めるのが大変だった。

ブラッドさんが言うには、ロキは炎魔法の中でも特に高度な魔法を好んで使っているらしい。

そのせいで魔力の消費も激しくて直ぐに戦えなくなると言っていた。

だからまずは雫をコントロールするところから始めて、そこから徐々に長時間戦えるようにする事がロキの目標だと言う。

「お〜い、ソフィア」
 
すると待ち合わせの場所近くまで来た時、公園の噴水前でアレスが私の姿を見つけて手を振ってくれていた。
 
いつもだったら仕事柄スーツや制服を着ている事が多かったアレスだけど、今日は珍しく私服姿だった。
 
そんなアレスの姿を見つめながら、私は小走りで彼の側へと駆け寄った。