それぞれの修行を終えた私たちは休憩がてらブラッドに呼ばれて集まっていた。

ブラッドさんは集まった私たちの体を順番に見ていきながら、二、三度頷いている。
 
そんな彼の後ろにはアルさんやレーツェルさん、そしてサファイアさんとエルさんが立っている。

「どうだ、ブラッド」

「う〜ん……そうだな」
 
ブラッドさんは顎に手を当てながら目を瞑って考え込む。

そんな彼の姿に私たち四人は顔を見合わせてそれぞれ息を飲んだ。
 
今日この日は、私たちにとって大切な日でもある。
 
それはこの二ヶ月での修行の成果を、こうしてブラッドさんに見てもらって、次の第二ステップへ進む事が出来るかどうか判断してもらう日なのだ。
 
だから今日この場に居るみんなが全員緊張しながら、ブラッドさんの言葉を待っている。
 
私もエルさんに見てもらいながら、少しずつ共振の魔力を引き出せるようにはなってきた。

しかし修行を始めたから早二ヶ月、私は他の三人より凄く遅れを取っていると思っていた。

アレスはアルさんと一緒に、エルさんの魔力をその身にまとえる時間を増やすための体作りと、雫をコントロールするところから始め、少しずつ力をまとえる時間を増やしていき、二ヶ月経った今では一日まとえるようになったとまでは行かなくても、長時間エルさんの力をまとえるようにはなったし、エルさんの力だって使いこなし始めていた。