「ふふ、驚かせてしまってごめんなさいなのですよ。でもお二人が星の涙について調べていたので、気になって出てきたのですよ」
　
エクレールさんはそう言いながら、私の体をぎゅっと抱きしめてくる。そしてとても慣れた手付きで私の頭を撫でた。

「それに今日のソフィアちゃんは、とても愛らしくて可愛いのですよ。私服姿という貴重なお姿には、中々めぐり会えないのです」
　
と言いながら、エクレールさんは私の頭を撫で続けた。

こんな状況に陥るのは、これでいったい何回目になるだろうか……。

さすがに二ヶ月もこんなことをされ続ければ慣れてしまうけど、なぜだか私は……エクレールさんに頭を撫でてもらう事が嬉しかった。

嫌だとかそんな風に思った事は一度もなくて、エクレールさんに会う度に【また撫でてくれるかな？】と、逆に期待してしまっている。
　
だから今も私の中には嬉しいと言う気持ちが溢れて、少しくすぐったかった。

「え、エクレールさん……そろそろ、ソフィアのこと離してくれませんか？」
　
アレスは少し苦笑しながら、エクレールさんから私を引き離そうとする。

しかしその言葉に彼女は頬を膨らませると、【絶対に嫌なのです！】と言うようにアレスから少し距離を取った。

「いくらわたくしの主であるアレスでも、わたくしとソフィアちゃんを引き離すことは無理なのですよ」