白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


「桃ちゃん、
 早く私の家でパーティーしよう」


「だね。お腹すいたもんね」


「六花さ
 たこ焼きパーティーやるつもりだろ?」


「いっくん、なんでわかったの?」


「だってさ、また冷蔵庫に入ってたぞ。
 タコが、1匹丸ごと」


「へ? 1匹丸ごと?
 私、お父さんにちゃんと頼んだよ。
 足だけ買って来てって」


「お前さ、親父のこと甘く見てんだろ?
『りっちゃん
 喜んで抱き着いてくれるかな?』って
 タコ見ながら
 ニヤニヤつぶやいてたぞ」


「どうしよう……桃ちゃん……」


「前みたいにすればいいじゃん。
 タコめがけて
 目をつぶったまま包丁を振り下ろせば。
 王子様が、助けに来てくれるかもよ」


 そこでいっくんの不愛想な声が。


「六花、そのタコ使うなよ」


「え?」


「俺が、タコの足、買ってきてやるから」


「いいよ。タコがもったいないし」


「俺が嫌なの!!」