白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


「桃ちゃん、大丈夫だった?」


 さっきまで怒っていたのが
 ウソみたいなさわやかスマイルで
 桃ちゃんのところに駆けよる十環先輩。


 すると突然
 桃ちゃんの長い脚が
 十環先輩の頬めがけて飛んできて。


 十環先輩は桃ちゃんの回し蹴りを
 バク転でさらりとかわした。



「桃ちゃん……
 いきなり……ど……どうしたの?」

 
 おどおど声の私の質問に
 桃ちゃんは
 驚くほど素直に答えてくれた。


「……嫌だったから」


「え?」


「十環先輩が
 私以外の人の頭を撫でるとか……
 ムカつくから……」


 うつむきながら
 唇をかみしめる桃ちゃん。


 いきなり嫉妬モードで、
 弱々しくなって。


 かわいい! 
 かわいすぎる!!


 今すぐ私が
 桃ちゃんを抱きしめたい!って
 思ったけど。

 その役目は、私じゃダメだよね。