「十環、そんな怖い顔すんなよ」
「だってさ……」
「いいじゃん。
六花と桃ちゃんのかわいさは
俺たちだけが知っていれば
みんなもさ
十環のこと怒らせないでな。
こいつ桃ちゃんのこととなると
優雅な王子様でいられなくなるからさ」
いっくんが私から離れて。
お姉さま方に
優しく笑った……
そんな色気を纏った笑顔。
他の女の子には向けないで欲しいのに。
だって
いっくんの笑顔を見たお姉さま方の目が
ハートになっちゃったじゃん。
私がムッとした顔をしたことに
気付いたのは
いっくんじゃなく十環先輩で。
私と目が合った瞬間に
十環先輩はフフフと微笑んだ。



