「十環、ありがとな。
 ダメダメな俺の、肩を押してくれてさ」


「龍牙さんと姉さんが
 上手くいってよかったです。

 素直な姉さん、
 かわいかったでしょ?」



「ああ。
 いつも俺に
 ズバズバ言ってくるのにさ。

 いきなり顔赤らめるとか
 マジでたまんねえ」



「わかりますよ。
 そういうところ
 桃ちゃんと姉さん、そっくりだから」


「だな」


「龍牙さん
 気をつけて帰ってくださいね」


「ああ」


 相変わらず王子様スマイルを
 俺にまで振りまく十環と別れ
 俺はバイクにまたがった。


 そして家に着くなり
 さっき別れたばかりなのに
 声が聞きたくてたまんねえ
 大好きな小百合に
 電話をかけた。


    ☆龍牙の恋 END☆