俺の頬に
 小百合が頬をこすり合わせてきたと
 感じた時、
 あまりにビックリした俺は
 小百合の腕の中から逃げ出したけど。


 ベッドの上で
 すごく幸せそうに微笑んだ
 小百合の寝顔が
 目が離せられないくらい綺麗で。


 艶のある小百合の頬に
 もう一度触れたいなって思って。

 手を伸ばしかけて。


 ハッと我に返った。


 そして
 寝ている小百合に声をかけぬまま
 高鳴る心臓の急かされるように
 俺は小百合の部屋を後にした。