「十環……先輩?」


「コンビニで俺を待っていてくれたのに……
 家まで送らなくて……
 ごめんね……」


「そんな……

 十環先輩が私を心配して
 家から自転車を飛ばしてきてくれたこと
 嬉しかったですから」


「本当はね
 俺が桃ちゃんを家まで送って
 いきたかったんだ。

 だけどさ……
 ムカついちゃって……」


「え?」


「だって桃ちゃん。
 俺にはいまだに敬語で
 気を使った話し方をするのにさ……

 俺より年上の公星さんには
 敬語なんて使ってなくて。
 ハムハムって呼んでいて。

 なんか、俺と一緒の時よりも
 桃ちゃんらしいって感じがしたから」


 そんな風に思ってくれたんだ。