休みの日。


 私は家から少し離れた、とあるマンションの前に立っていた。

 ここにはお兄ちゃん、颯空兄が住んでいる。



 エントランスにお兄ちゃんが降りてきていた。

「お、意外に早かったな。とりあえず中入るか」

「うん。わざわざ降りてこなくても良かったのに」

 実はお兄ちゃん家にきたのは初めて。

 さっきまで寝ていたのか、髪の毛は寝癖ではねている。

 家にいた頃のまんま。

「可愛い妹の初訪問だろ。それに相談って…
気になって寝れなかったんだぞ」


 その寝癖でどう説明すると?


「ウェルカム〜」

「お邪魔しまーす…」


 玄関のコルクボードには家族写真が飾ってある。

 まだ私がメガネもお下げもしてない頃のもの。