死んだ俺と家族の話

「母さん!」川の向こうで手を振る人に向かって蒼司は言った。
「兄さん。行こ?」と蒼司は嬉しそうに言う。
「蒼司待て!」俺は川を越えようとする蒼司の手を引っ張った。
「兄さん?」驚いたように言う蒼司に俺は、
「お前は行っちゃダメだ!」と引き留めた。
「どうして?」
「ここは天国の手前。行ったらお前は死ぬ事になる。」
「天国って…嘘でしょ?」
「嘘じゃない。嘘だったらなんで母さんがいるんだ!」
「え?俺は死んだの?」
「まだ死んでない。今から戻れば間に合う。早く行け!」俺は蒼司の背中を押す。
「分かった。」そう言って来た道を戻って行った。