――――ガラッ


「あ……」


我がクラスの試合へ応援に向かうため保健室から出た私は、誰かとぶつかりそうになった。


同じ学年の子だ。クラスは違う。


「ごめん」
「私こそ。ちゃんと見てなくて、ごめ――」
「そうじゃなくて。……ボール」


――――え?


「まさか、頭に……当たるとは」


青ざめている女の子を見て思い出す。


この子、試合で対戦したチームの子だ。


「だ、大丈夫だよ。そんなに心配しなくても」
「ほん……と?」
「念のため今日は試合に出ないようにって言われてるけど。この通り。意識もあるし歩けるし!」


えーと

ジャージの刺繍を見て名前を確認する。


「イズミヤ……さん?」
泉谷(いずみたに)