はやく俺のモノになればいいのに

思わず立ち止まってしまった。


こんなに近くで先輩を見るの、久しぶりだったから。


気分が、舞い上がる。

話しかけられたわけでもないのに。


みゆき先輩は戯れに参加せず、ジャージ姿で壁ぎわにしゃがみこんでいる。


どうしよう。


同じ高校の

誰もが着ているジャージなのに


……先輩が着ていると輝いて見える。


キラキラしてる。


あぁああシャッターきりたい。

素敵すぎる。


「くらいやがれ!」
「あは。どこ向けてんの」


――え?


「モモ、大丈夫!?」


ぼーっと、みゆき先輩を眺めていたら


水しぶきが顔にかかった。