美澄さんは何も言うことなく出ていった。




そしてほんの少しだけ私に余裕が出たと思った夜さんは倉庫の奥から本格的な救急セットを持ってきた。




そして酸素ボンベらしきものを私に吸わせた。




それを吸うだけで多少楽になれた。




だけど動悸と震えが止まらなかった。




「紗楽……もしかしてあいつらと出会った?」




図星をつかれてしまった。




言葉に詰まった私を撫でた夜さん。




「ここにあいつらはいないよ、大丈夫。落ち着いて、深呼吸をして」




夜さんの言葉は私の胸にすっと入ってきた。




この人の声はどうしてこんなに落ち着いてすんなりとはいってくるんだろう。