私は倒れ込むように家に入ってスマホで夜さんに電話をかけた。
スマホで電話をするということは緊急事態だけとあらかじめ決めていた。
それを分かってくれているからきっと今家に向かってくれている。
それまでの辛抱だ。
きっとどうにかなる、どうにかしてくれる。
美澄さんは何をするでもなく電話をかける私を見つめていた。
そんな事をしているうちに視界がぼやけてきた。
あ、やばい、直感的にそう思った。
その時。
ガチャっと扉が開いて焦った様子の夜さんが入ってきた。
「紗楽っ……！どうした？」
焦りながらもしっかりと私の容態を見るよるさん。
