「いっ、いきっ……で、きな……」
私が死ぬ気で息ができないことを伝えようとすると焦った顔でこちらを覗いた。
「落ち着け、とりあえず深呼吸するんだ」
焦っているのにどこか落ち着いているように見える美澄さんにどこか安堵した。
けど、息はできないまま。
とりあえず意識を手放さないように必死に呼吸をしようと試みる。
「家どこだ!?連れていくから教えろ」
この状況でどうやって説明しろというのか……この人鬼畜すぎる。
そんなことを思いながらも一生懸命動いてくれる美澄さんに精一杯の声で伝える。
「っ……町の……で、す」

