どうしてか、無言のまま……いや、話が盛り上がったら盛り上がったで変なんだけど。
そのままバイクへ向かっていく千歳さん。
はぁ、気が重い。
こんなにも近くに私の消したい過去が見える日はこれが最初で最後だろう。
いつ気が抜けてボロが出てしまうか、常にヒヤヒヤしてる。
千歳さんのバイクの前まで行くと、千歳さんはこちらを振り返った。
「じゃあ、はい」
渡されたのは薄く水色をしたヘルメット。
よく見ると千歳さんが被っている物も同じものだ。
バイクも若干水色がかっていることから、水色で揃えていることがわかる。
「あ、ありがとうございます…」

