「なんか、暴走族ってカッコイイね。憧れちゃうよ」
暴走族なんてそんないい物なんかじゃないのに。
結局は誰からも承認されない悲しくて、哀れな集まりなのに。
「そう……かな」
「?…どうしたの、沙楽?」
「う、ううんっなんでもない」
こんな所でしくじる訳にはいかないんだ。
やり始めたならやり抜かなきゃ。
言われたでしょ、私を応援してくれる唯一無二の人たちに。
親友である鈴菜をも、騙し抜けるように。
こんな暴走族、私には関係ない。
どうなろうと、どんなことをしようと私は口出しなんてしないし、関わりたくもない。

