「はぁ、そんなこと言ってる場合じゃないしやってみせますから大丈夫です。邪魔しないでください」
私は手を強く振り払うと一色さんの腕をがっしり掴む。
そしてゴムで腕を圧迫し、しっかり血管に刺した。
「っい………」
無事にさせたようで点滴が筒の中にぽたっと落ちた。
ほっと一息ついてから、冷えピタシートと氷を持ってくる。
多分頭に強い負担がかかったはず。
冷えピタを貼ってから氷で上からさらに冷やす。
「しばらくは食べ物を口にしないでください、点滴してるから死にはしません」
私の言葉を聞くと一色さんは顔を背けて頷いた。

