『好きだ。』

遅れて教室に入ってきたクラスの女子は、俺の頬を撫でながらこう言った。




「彼女いるんだって?見かけたけど、大した女じゃないじゃん。釣り合ってないし〜。私の方が絶対あんたを満足させられるよ。ね?」

こいつが前から俺の彼女にいいイメージを持っていないのは知っていた。

だけど……

「そうかもな。」

「でしょ…?」

「でも……」

「…でも?」

「彼女に釣り合ってないのは俺の方だ。」

「俺が不甲斐ないせいで彼女をたくさん傷つけた。

でも関係ないお前が俺の彼女を悪く言うのは許さない。」

「なんだ〜。ベタ惚れじゃん。

それなら早く言ってよね〜。

彼女さん、私たちの会話聞いてたみたいだけど?誤解したんじゃない?」

「…なっ!?それをなんで早く言わないんだ。」

「振られて悔しかったから、このぐらいしてもいいじゃん。」

「お幸せにね。早く行きなよ。」

また俺は人を傷付けたかもしれない。

ただ今は彼女のもとに向かうことが、この人への償いになるのかもしれない。

だから俺は、走って彼女の元へ向かった。