「聞いてくれてありがとう」 「…ううん、こちらこそありがとう」 込み上げてくる熱いものを飲み込んで笑うと、かずくんも同じものを返してくれた。 「…それにしても、やっぱ早かったなぁ会長。勝負に余裕そうだったのも頷ける」 「……勝負…?」 かずくんが頭に手を組んで、石ころを蹴りながら言った言葉に疑問をもつ。 なんのこと…? 頭がはてなマークでいっぱいになっていると、「あ、そっか」と何かを納得した。