冷酷姫に溺れて。

ココアを持って、部屋に戻ると霜月さんが目覚めていた。

「出来てた?」

「多分、これで大丈夫だと思う」

「そう…」

霜月さんはほっと一息ついた。

俺は今朝、父さんが言ってたことを思い出した。

『吸い終わったら、噛み痕を舐めろよ。
そうしないと炎症を起こすからな』

舐めるのか…。

「あのさ、傷口を舐めさせてくれない?」

「へっ!?」

「あ、いや、父さんに言われたからさ」

「そうなんだ。じゃあ、どうぞ」

俺はテーブルの上にココアを置くと、霜月さんの傷口を舐めた。

「…っ」

なかなか治らなくて、結構舐めてたような気がする。

「…終わったよ」

「あ、ありがとう」

お互い恥ずかしくて目を合わせなかった。