冷酷姫に溺れて。


父さんたちの寝室に行くと、父さんは全て察したように話し始めた。

「契約する方法を教える。
りり、協力してくれ」

「うん」

母さんは椅子に座ると、父さんが話を続けた。

「やり方は二つあるんだけど、お前には今から教える方法がいいと思う」

父さんは母さんの首もとを指差した。

「首もとの血を目一杯吸え。相手が気絶するまで。いいな?」

は?

気絶するまで?

「霜月さんに負担がかかるじゃねぇか!」

「それが契約だ。
てか、血を吸うときに相手が気絶するのは当たり前だと思えよ」

嘘だろ…。

「私も昔は毎日のように気絶したのよ」

母さんが毎日気絶!?

そんな吸われて、母さんは貧血にならねぇのかよ。

「まあ、母さんは妖力世界一だからどってことねぇがな」

霜月さんはそうじゃねぇし!

本当っ、役に立たねぇことばっか教えてきやがる。

「千影、いくら優しいからって相手が泣いてもわめいても絶対吸うのをやめるな」

「何でだよ」

「やめる度に身体は血を作ろうと働く。それで吸うと飲む量が倍になる。その分、相手の身体の負担になる」

そうか……。

確かにそうだ。

ここでは無駄な同情もいらないってわけか。