「ねえ、入井くん」
霜月さんは立ち上がって、話し始めた。
「私ね、先輩や愛以外に話せる人がいなかったんだ。
極度の人見知りだし、話しかけられたらパニックになる」
俺の目を見て、にっこりした。
「でも…。入井くんがあの時、私の話を聞いてくれたから。人見知りはするけど、人と話せるようになってきたの」
「俺は何もしてないよ」
霜月さんが自分で変わったんだ。
「入井くんがいたから、私は変われたの。
だから入井くんの力になりたい」
俺は霜月さんの真っ直ぐな瞳から目をそらした。
「でも、今日、怖かっただろ?吸血鬼って血を吸うときは力が制御出来ないから霜月さんを傷つけるかもしれない」
霜月さんは俺の手を握った。
「それでもいいよ。私は入井くんの力になりたいんだから。少しぐらい恩返しさせてよ。
だから、私と契約して」
俺は霜月さんを抱きしめてしまった。
「…ありがとう」



