冷酷姫に溺れて。



休み時間に霜月さんと会った。

「入井くん、最近先輩に何かされたの?」

「なんで?」

「だって、様子がおかしいもん」

「何もされてないから安心して」

もし、本当のことを言えば霜月さんは責任を感じてしまう。

それが嫌だったから、あえて言わなかった。

「何もないならいいけど…」


霜月さんと別れると、目眩がした。

俺は近くの壁に寄りかかり、少し休んだ。

マジで会長に何を飲まされたんだ?

呼吸も荒くなっている。

こんな状態で授業なんて出来ない。

父さんから貰ったタブレットを飲み、保健室で休むことにした。




保健室は誰もいなかった。

先生いないけど、まあ寝てるだけだし。

勝手にベッドで横になった。

さっきから呼吸が荒い。

タブレットが効いてないのか?

それとも本当に死ぬとか?

まだ死ねないし、弱気になっちゃダメだ。

俺なら絶対治せる。