冷酷姫に溺れて。



移動中、父さんが驚いたように聞いてきた。

「てゆーか、お前も恋してたんだな」

「悪いかよ」

「可愛い系?クール系?」

「どっちもある」

「お前も面食いだな」

「うるせぇ。父さんには言われたくない」

母さんみたいな可愛い奥さんもらえる人なんてあんまりいないからな!

まあ、父さんはすんげぇイケメンだから可能なのかもしれないけどな。

「お前は俺とりりの子どもだ。どんな奴だって倒せるからな」

「…そうだといいけど」

てか、母さんは人間じゃねぇか。

「母さんってなんかしたの?」

「あのな、母さんがいなかったら俺は高校生の時に死んでたからな?
つまり、お前も咲奈も生まれてなかった。だから、母さんはすげぇ人なんだ」

へぇ。

人間でも強いんだな。

「それに母さんの妖力は世界一だからな。ちなみにキスすると一瞬で俺の体力が復活する」

なんだそのファンタジーみたいな話!?

母さんって隠れ最強キャラなのかよ!

「ここだよ。生徒会長の家は」

立派な豪邸だな。

ピンポーン。

「入井だけど、会長いる?」

「入井さん、お久しぶりです。今開けますね」

会長がいるかもしれない。

俺が霜月さんを助けてみせる。