冷酷姫に溺れて。

「霜月さんは雪女だけど、何か苦労することとかある?」

え、なんだろ。

雪女で苦労すること。

「たまに暴走することかな?」

「霜月さんが暴走?」

「うん。冬は心のバランスが取れなくて情緒不安定になる。雪女はみんなそうなの。雪男は何もないらしいけどね」

「大変なんだね」

まあ、入井くんほどじゃないけどね。

「あ、そろそろ行かなきゃ」

「ほんとだ」

私たちは急いで用意し、一緒に登校した。



「入井くん。私といると、変な目で見られちゃうよ」

「それでもいいよ。
俺は霜月さんといたいから」

そんなこと言われたら何も言えなくなる。

「冷酷姫と歩いてる奴、誰だよ」

「仲いいのかな?」

「男の方は吸血鬼だろ?血を吸われてるとか?」

でも、やっぱり周りの人は何か言っている。

「入井くん、ごめん……」

「何が?あいつらが勝手に言ってるだけじゃん。霜月さんは気にしないで」

明るい声で言ってくれて、すごく安心した。

怖いっていう気持ちが吹っ飛んだみたい。