冷酷姫に溺れて。



目覚めるとゴスロリの服が置いてある部屋で寝ていた。

よく見たらここ、ドレスルームじゃなくてゲストルームかも。

部屋は奥まで続いていて、私は手前のドレスしか見ていなかったようだ。

「おはよう、霜月さん」

「お、おはよう…」

入井くんがエプロンをして、朝ご飯を作っていた。

そういえば、入井くんって結構モテてたっけ。

会長や蓮常寺くんみたいにキャーキャー言われるわけではないけど、女子にモテている。

まあ、本人は気づいてないようだけど。

「はい。出来たよ」

よく見ると入井くんの分はない。

「入井くん、ご飯は?」

「朝はこのタブレットしか食べないんだよね」

入井くんはポケットからタブレットケースを出した。

「ほら、俺、吸血鬼だろ?
誰かの血を吸わないと生きてけなくて。
でも、俺はまだ血を吸ったことないんだ」

てっきり誰かの血を吸ってると思ったのに一回もないんだ。

「だから、そのパートナーが出来るまでタブレットを食べるんだ。
ちなみに味は血っぽいよ」

へぇ。

吸血鬼も大変なんだな。